Sinfonia Dramatique

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フランチェスカ・ダ・リミニ(2)

2017/08/09 15:50 [Wed]
まずは『フランチェスカ・ダ・リミニ』の元ネタとなっている『神曲』地獄篇の世界の説明を。

13~14世期の詩人ダンテの代表作『神曲』は、ダンテ自身が古代の詩人ウェルギリウスに案内され、地獄・煉獄・天国の三界を巡るという内容の叙事詩で、『フランチェスカ・ダ・リミニ』は『神曲』「地獄篇」第5歌の詩。

『フランチェスカ』は13世紀イタリアのラヴェンナに実在した姫の名前(ダンテの叔母との説も)。『リミニ』はラヴェンナの隣国、アドリア海に面するイタリアに現存する都市名です。

ダンテは古代の詩人ウェルギリウスに案内され、地獄の門をくぐって地獄の底にまで降り、死後の罰を受ける罪人たちの間を遍歴していきます。『神曲』の地獄の世界は、犯した罪の種類で最上部の第一圏から最下部の第九圏までの九つの圏から構成されていて、フランチェスカと出会った『愛欲者の地獄』はこの第二圏にあたります。

曲は3部構成。

第1部、冒頭はダンテ達がたどり着いた『愛欲者の地獄』に吹き荒れる不気味な風の音のイメージで始まります。
ここでは、生前に愛欲に溺れた者たちが荒れ狂う暴風に吹き流され、永遠の責苦に苛まれる罪人たちの呻き声が嵐のように渦巻く様子が表現されています。
ダンテは嵐の中で悲しく抱き合うフランチェスカとパオロに目をとめます。

ドレ_フランチェスカ_1

クラリネットのソロではじまる第2部は、フランチェスカとパオロの恋の物語。
フランチェスカは、自分達がこのようになってしまった経緯を語り始めます。

イタリア・ラヴェンナ領主、ポレンタ家の姫フランチェスカは、隣国リミニ領主の宿敵マラテスタ家との和解のため、父の命令で同家の長男ジョヴァンニ・マラテスタのもとに嫁ぐことになります。しかし、ジョヴァンニは勇猛ではあるものの醜い容姿をしていて、結婚を拒まれる事を畏れたフランチェスカの父と醜いジョヴァンニは、ジョヴァンニの弟である美青年パオロ・マラテスタをフランチェスカの迎えに送り、パオロとフランチェスカはこの時ひと目で恋に落ちてしまいます。

結婚式翌日、自分の夫が現実には醜いジョヴァンニであった事を知り、パオロを密かに愛しながらもジョヴァンニの妻として夫に従順に従うフランチェスカ。しかし、ジョヴァンニは2人の関係の密告を受け、自身の遠征の留守中にパオロをフランチェスカの護衛として残す罠を仕掛けます。

ジョヴァンニの留守中、フランチェスカとパオロは2人で『アーサー王伝説』の中にある「騎士と王妃の不倫物語」を読み、物語の進行と自分たちの状況を重ね合わせながら惹かれ合います。
フランチェスカは道徳的にパオロの求愛を拒もうとしますが、物語とシンクロして気持ちが高まり、ふいにパオロがフランチェスカを抱き寄せ口付けをした瞬間、物陰から盗み見、嫉妬に狂ったジョヴァンニにより2人とも短剣で刺され、殺されてしまいます。

幸せな時を表現する音楽が最高潮に達した瞬間、ホルンのシグナルをきっかけに、曲は破滅の第3部へと転じて行きます。

ドレ_フランチェスカ_2

第3部は、再びフランチェスカとパオロが堕ちた地獄の情景に戻ります。

『幸福だったときを、悲惨のうちに思い出すほど苦しいことはない』

悲劇の二人が愛しあったほんの僅かな至福の時。二度と戻らぬその瞬間を地獄の底で永遠に思い出し続ける絶望が、フランチェスカとパオロに永遠に課せられた苦しみでした。また、ジョヴァンニもいずれ殺人者の地獄に堕ちるだろうと暗喩します。

フランチェスカの悲しい話を聞いたダンテは、同情のあまり気絶してしまいます。

ドレ_フランチェスカ_3

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プロフィール

gekikyo

Author:gekikyo


指揮者の佐藤雄一氏のもと、『白鳥の湖』原典版全曲演奏を目的に集まった76名で結成したアマチュア・オーケストラ。単発と思っていましたがすでに第3回演奏会『眠れる森の美女』全曲演奏に向け始動。年2回ペースでずーっと続くようで、3年先くらいまで曲の候補が出揃っている状態。

そして【劇響】のバレエ音楽には”抜粋”の概念は無い!やるなら全曲。

そして大変個性的な佐藤先生成分100%の音楽を聴いてみたい!が、目標。


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